真言宗とは

弘法大師

真言宗(しんごんしゅう)は、空海(弘法大師)によって9世紀(平安時代)初頭に開かれた、大乗仏教の宗派で日本仏教のひとつ。真言陀羅尼宗(しんごんだらにしゅう)、曼荼羅宗(まんだらしゅう)、秘密宗(ひみつしゅう)とも称します。

9世紀の初め、空海が入唐(にっとう)して、長安(現在の西安)の青龍寺(せいりゅうじ)東塔院の恵果(けいか)から大日・金剛頂両部の密教を授かり、帰国後に独自の立場から真言宗を開きました。空海は帰国後、京都・高雄山寺(たかおさんじ)に住み、その後、高野山(こうやさん)を修行の道場として開創し、また根本道場として嵯峨天皇から東寺(教王護国寺)を勅賜されました。真言密教の「真言」とは、仏の真実の「ことば」を意味していますが、この「ことば」は、人間の言語活動では表現できない、この世界やさまざまな事象の深い意味、すなわち隠された秘密の意味を明らかにしています。弘法大師は、この隠された深い意味こそ真実の意味であり、それを知ることのできる教えこそが「密教」であると述べています。