今月の法話

■「令和」【2019年5月の法話】

 

 早くも五月に入りまして、季節も夏へと近づいております。この五月より新しく元号も変わり、平成の三十年間も終わりを告げ、新しき時代がこれから始まろうとしております。

 さて、新しい元号は「令和」となり、皆様もその意味をご存知かと思います。『万葉集』の「梅花の歌」からの出典となり、「人々が美しく心を寄せ合うなかで文化が生まれ育つ」という意を込めたそうですね。この度で元号は二百四十八番目、「令」という字は元号に初めて使われました。一見、「令」という字を見ると、「命令」「指令」といった「言いつける」形としての意味で普段から用いることもあり、強く受け取られがちではあると思いますが、「立派な、優れた、めでたい」といった意味も持ち合わせています。当山とも関係が深い、チベットの言葉rewa(望み、希望)と発音が似ているそうですね。

 元号が変わるだけでなく、労働に関する制度や医療、保険、消費税の増税、令和六年(二〇二四年)には紙幣も新しく変わります。前述した限りでなく、様々なことが変わりゆく時代になっていくことでしょう。来年にはオリンピックもあり、新しい元号のように華々しく…と言いたい所ですが、良い事ばかりに目を向けているだけではいけません。私たちが向き合っていかねばならない問題もたくさんあります。特に今、情報が溢れているこの社会、嘘偽りもあります。何が正しいのか、何が間違っているのか、周りの意見に流されずに物事の本質をしっかり見極めていかねばなりません。そして、そのように過ごしていく中で、小さな幸せを一つずつ見つけて頂きたいものです。

 最後に、昨今非常に多くの災害等も発生しており、未だ復興していない所もたくさんあります。数年内に西日本において大地震も発生するとよく云われておりますが、それはいつ起こるか分かりません。過去の教訓をしっかり活かして、少しでも被害などをなくす事ができたらと願っております。また、こうした自然災害に限らず、日常の一面においても、今までの経験や失敗などを見つめ直し、これから始まり行く新時代を穏やかに過ごして頂ければと思っております。

合掌

(江本 康亮)

 

 

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