今月の法話

■「錆びない鍬、錆びない心」【2022年12月の法話】

 

 少し前の中国新聞の紙面に、尾道市の山間に独りで暮らす百歳のおばあさんのことが載っていました。ご近所さんとも仲良く、いきいきと元気に暮らすその方の大切にしている言葉が「錆びない鍬でありたい」というものでした。

 鍬はいつも使っていれば、刃がちびても錆びることはない。しかし、使わずに放ったらかしているとすぐに錆びてしまう。それと同じで人間の“身体”も“頭”も“心”も、使わずにいると錆びてしまうというのです。この考え方で素敵なのは、身体や頭だけでなく、“心”も錆びてしまうというところです。身体や頭の働きは、年齢と共に多少なりとも衰えは出てきますが、心の働きに年齢は関係ありません。裏を返せば、どんなに若い人であっても心が錆びてしまうことはある。心が錆びてしまうと、そこから身体も頭も錆びてしまいます。では、どうして心が錆びてしまうのでしょうか。また、心を錆びさせないためには、どうすれば良いのでしょうか。

 私たちは日常の生活のなかで、自分の思うようにいかないことがあると、ついつい不平不満を言ったり心に思ったり、それが行動に現れたりしてしまいます。不平不満のようなマイナスの要素が生じ、マイナスの心でいると、どんなプラスの出来事もプラスとして捉えることができなくなります。心も言動もマイナスになってしまい、マイナスがどんどんマイナスを引き寄せてしまう。どんどん心が錆びてしまいます。

 不平不満が生じるのは、つまりは心が錆びてしまうのは、感謝の心が薄れているからです。全く不平不満を持たない完璧な人など、なかなかいないと思います。誰しも感情的になることがあるように、多少のマイナス要素は持っています。だからこそ、感謝の気持ちを忘れないためにも、日々神仏に手を合わせるのです。日常のなかで大切なことを忘れそうになったら、神仏のご宝前へ直接お参りをする。

 心を錆びさせないために、感謝の気持ちを忘れないためにも、三鬼さんへの月参りを重ねてまいりましょう。

合掌

(日高誠道)

 

 

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