今月の法話

■「万事塞翁が馬」【2020年4月の法話】

 

 「コロナウイルス」。ニュースを付けても、携帯電話を開いても、「コロナ」一色ですね。小学校は休校になり、政府からもイベントや行事の中止、延期の要請。不要な外出は控え、不必要な集まりは自粛してほしいという前例のない事態になりました。色々と言いたいことがある方もたくさんいらっしゃると思います。まさに未曾有。前代未聞とはこのことだと思います。このニュースが世間で騒がれるようになり始めてから、ここまでの事態になるとはだれにも想像できなかったと思います。

 皆様もこのニュースを聞いて様々なことを考えられたと思います。予防や対策はどうしたらいいのだろうか。外出や行事が無くなれば、仕事や生活はどうすればいいのだろうか。もし発症したらどうしたいいのだろうか。様々な憶測や不安が広がっています。実際、私もこういう時こそどうしたらいいものなのか考えました。

 ただ、考えれば考えるほど、まずいろいろな方々の顔が浮かびました。この人は大丈夫だろうか。また、あの人のところはどうだろうか。個人だけではなく、いろいろな職種、立場の方々、多方面に渡って想いを巡らせてみました。「みんな大変だ、苦しんでいる」「みんな一生懸命、必死だろうな」「なにか自分にできることないかな」

 恐らく、医療機関の方々、政府や行政の役人さん、世の中の皆さま「なんとか早く収束してほしい」という想いは一致して必死にやってらっしゃると思います。考えれば考えるほど「こっちには良くても、あっちには難しいかも」と次から次へと壁がやってらっしゃるのでしょう。苦しいのはみんな一緒なのだと思いますが、ニュースやSNSを見ていても、対応への批難も多く見受けられます。こういう暗いときこそ、私たちにできることとしては、周りの人への声かけ、場が明るくなる笑いや笑顔。ふとした明るさや元気に振舞うことで救われることも多々あるものだと思います。

 人は大変な場面に接したときにどのように考え、行動するかが大切なんだろうと思います。「万事塞翁が馬」という言葉があります。こういう時こそ何ができるか。日頃できない、読書や趣味、自己研鑽に時間を使うことも一つでしょう。お掃除や手入れをしてみることもいいでしょう。見方、視点を変えると普段、気付くことのできなかったことに気づきを得られるかもしれません。もちろん、お参りに行って外の空気を吸うのも良いでしょう。せっかく与えられた時間をどのように過ごすか。もしかしたら、この現代という便利で心が失われつつある時代に、一度足を止めて、皆でよくよく考えてみましょうと神様、仏様に言われているかもしれません。是非とも有意義な時間になるように過ごしてみてはいかがかなと思います。ともあれ、一日も早く終息し、皆様のマスクの下の元気なお顔を拝見できる日を楽しみにしております。

合掌

(吉田 大裕)

 

 

●2020年の法話(バックナンバー)


●2019年の法話(バックナンバー)