今月の法話
■「功徳の花」【2024年5月の法話】
「苦労なき喜びは、三流品」「つらいけど、峠を越せば、花の里」という言葉があります。人間、苦労するから、苦しむから、それを乗り越した時の喜びは大きいものだと思います。極楽浄土に咲くとされる蓮の花、仏教でも仏様を象徴する花ですが、蓮の花は泥の中に咲きます。他の草木もそうですが、時期になると綺麗に咲き、そして散り一年暑さや寒さを耐え忍びます。
私たち人間も一日を一生と思い、いつも目的を見つけ、一生を学習と思い、身も心も研鑽していきます、だからこそ綺麗な花が咲くのではないでしょうか。学ぶ事、考える事には年齢は関係ありません。若者の中には人生が辛く、何もしたくないという方が近年は増えています。
問題は、「気にしても苦にするな」という事だと思います。どんな事でも苦労と思わない、神仏の与えてくれた仕事と思って、楽しく心を込めてやりとげると、一段と大きくなった上を見つける事が出来るし、一段上のより素晴らしい景色にも出逢えようというもの。喜びを糧として、悲しみ、苦しみ、学ぶ心が欲しい。「善も一生、悪も一生」「楽な一生も一生、苦労な一生も一生」でも、その中味は全然異なります。
どんな困難も耐え忍ぶ、仏教の教え「忍辱波羅蜜」です、「休むのはあの世に行ってから」にしたいものです。仏教では、自分も大切ですが相手を思いやると言うこともとても大事です。「布施波羅蜜」見返りを求めず施すということ言わばボランティアです、私の祖父はこのような言葉を言っていました。
〝日々の生活で良い行ないを一つすると世界中で今まで見たこともないほとのきれいなきれいな花が一輪咲くんよ、それを今から死のうと思う人が見るんよそして、「ああ、生きていてよかった」と思い、もう一度生きる歩みを始めるんよ〟
自分のした行いが世界のどこかで救い安らぎになっていると考えて日々困難、苦難を乗り越えていきたいものですね。
(宮原大空)