今月の法話

■「目は口ほどにものを言う」【2023年5月の法話】

 

 早くも五月に入り、だんだんと暑くなって参りました。四月より夏日のような日が続いておりましたが、年々暑くなるのが早まっているような気も致します。世間を騒がせていた新型コロナウイルスも早三年が経ち、三月にマスクの規制緩和、この五月には感染症の分類も二類相当から五類に変更となります。だんだんと元の生活へと戻りつつはありますが、まだまだ時間はかかりそうです。

 今まで、我々の生活に必需品となっていたマスクですが、先述した通り三月に規制が緩和されました。よくマスク派や反マスク派などといった方々が声を大きくしていらしたのが記憶に新しくございます。その中でも海外の人は日本でもマスクをしないということや、海外ではもうマスクをしている人がいない、といった事をよく耳にしましたので私も調べてみました。

 我々は日々生活している中で様々な人とコミュニケーションを取り、会話をしなくとも誰かの顔を見たりしていますね。最近の研究で、東アジア人は目元、欧米人は口元をよく注目して表情を読み取る事がわかってきたそうです。わかりやすいのはサングラスではないでしょうか。日本では室内やお店の中でサングラスをつける事は障害があったりする方を除きほぼ無いと思います。実際、そのような方がいらっしゃると不信感を抱いたりします。また、目の周辺の筋肉である眼輪筋は口の動きと比べ意識的な制御が難しいとされています。まさに日本のことわざにあるように「目は口ほどにものを言う」なのです。

 最近、人の目を見てコミュニケーションを取る方が減ってきているように感じます。声色、表情は変えようと思えばいくらでも変える事ができますが、目は簡単には欺くことができません。このコロナ禍で実際に人と会って会話をすることの有難さが実感できたのではないでしょうか。人と話す時は目を見て、サングラス等を外して、「人と会話する」事を今一度、思い返して頂ければと思います。

合掌

(江本康亮)

 

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